マイホーム購入を検討する上で、建築会社選びは重要なポイント。
特に、建売住宅は既存のプランに自分たちの暮らしを合わせて選ぶため、注文住宅以上に建築会社選びに慎重さが求められます。
ハウスメーカー・パワービルダー・工務店など選択肢は多いものの、名前と実態について分かりにくい部分が多く、どれを選べばよいか悩まれている方もいるでしょう。
そこで今回は、建売住宅の選び方について解説します。マイホーム購入をお考えの方は、ぜひとも最後までお付き合い下さい。
建売住宅とは?
建売住宅とは、完成済みまたは完成予定の住宅と土地を一緒に販売している住宅であり、分譲住宅のように複数区画を分けて販売しているケースもあれば、1区画に1戸という具合に販売しているケースもあります。
基本的には、ライフスタイルや家族構成をもとに、場所を含めて自分たちに合った建築プランの住宅を選んで下さい。
お住まいの地域により違いはあるものの、選べる建築会社の選択肢は多く、大手ハウスメーカーから地元の工務店まで商品プランは様々です。
施工会社の特徴

施工会社は大きく3つに分類され、それぞれ供給エリアや得意とする価格帯が異なります。
それぞれの特徴を把握して、自分たちの暮らしに合った施工会社を考えてみましょう。
- ハウスメーカー
- パワービルダー
- 工務店
順番に解説します。
ハウスメーカー
ハウスメーカーとは、日本国内全域または広範囲の規模で展開する住宅建設会社を呼称することが多いものの、厳密な定義が決まっているわけではありません。
部材を規格化して工場で大量生産しているため、品質が均一なことが特長であり、独自の研究開発による最新の技術を取り入れて他社との差別化を図っています。
建設業だけでなく他の事業を手広く展開するハウスメーカーもあり、顧客に対するアウトリーチが広いことも特徴です。
ただし、住宅供給戸数に占める大手ハウスメーカー割合は約2割前後となっています。
パワービルダー
パワービルダーとは、住宅一次取得者層をターゲットにした床面積30坪程度の土地付き一戸建住宅を2,000~4,000万円程度の価格で分譲する住宅建設会社のことです。
大手ハウスメーカーとは異なり、他業種まで手を広げているケースは少なく、住宅オンリーで供給エリアも狭くなります。
パワービルダーの建売住宅は、小規模分譲地がメインであり、既存の住宅地に溶け込む新築一戸建てを割安に提供していることが特徴ですが、価格帯により住宅の品質は様々です。
工務店
工務店とは、地域密着型の事業を展開する住宅建設会社のことです。
商品開発費や広告宣伝費などのコストが少ない分、利用者は比較的原価に近い価格で住宅の建設を依頼できることが特徴であり、設計や仕様の自由度が高い点も魅力の一つ。
経営基盤は大手ハウスメーカーに比べて不安があるため、アフターメンテナンスのことを考慮すると、建築会社選びにはより一層の慎重さが求められます。
建売住宅の選び方について
建売住宅の選び方を以下の通りまとめています。
必ずしも自分たちに当てはまるとは限りませんが、施工会社を選ぶ参考にして下さい。
メリット | デメリット | こんな人におすすめ | |
ハウスメーカー | 供給エリアが広い 商品力が高い 安定した経営基盤 | 価格が高い プラン変更が割高 担当の当たり外れ | ブランド力や安心感を重視したい方 一定以上の住宅品質を求めたい方 |
パワービルダー | 価格が安い 工期が短い 家づくりの手間が少ない | 設計の自由度が低い 標準設備がいまいち オプションが高額 | 手頃な値段で住宅を購入したい方 デザインや間取りに強いこだわりがない方 |
工務店 | 比較的価格が安い FC展開の商品も選べる 地域密着の安心感 | 設計の自由度が高い 経営基盤に不安あり 供給エリアが狭い | ある程度仕様や間取りにこだわりたい方 費用対効果を追求した方 |
建売住宅を選ぶ際の注意点

建売住宅を選ぶ際の注意点をまとめています。
住み始めてから後悔することがない様に、最低限のポイントを押さえておきましょう。
- アフターサポート体制の確認
- 低価格を実現している理由を確認
- 住宅性能表示と証明書の有無を確認
順番に解説します。
アフターサポート体制の確認
一つ目の注意点は、アフターサポート体制を確認しておくことです。
基本的に、10年間の保証が一般的ですが、その範囲はどこまでなのか?
構造耐力上主要な部分・雨水の侵入を防止する部分についてだけなのか、それ以外の部分も対象になるのかは重要なポイントです。
大手ハウスメーカーでは、防蟻や住宅設備(一部)についても10年間の保証を付けている会社もあります。
また、点検・診断のスケジュールやフィードバック方法なども確認しておきましょう。
低価格を実現している理由を確認
低価格を実現している理由を確認することも、建売住宅を選ぶ際の注意点の一つ。
建売住宅は手ごろな値段が魅力ですが、その低価格を実現している理由がハッキリとしていないケースでは注意が必要です。
まっとうな企業努力であれば問題ありませんが、標準仕様のグレードが低かったり、目に見えない部分でコストカットをしているケースもあります。
安かろう悪かろうではありませんが、高額な買い物であることを忘れてはいけません。
住宅性能表示と証明書の有無を確認
住宅性能表示と証明書の有無を確認することも気を付けておきたいポイントの一つ。
認定住宅など一定の基準を満たす旨を会社ホームページなどに記載しているかを確認してみましょう。
住宅性能や省エネ性能は、税制面の優遇に繋がる重要なポイントです。
認定住宅までとはいかずとも、耐震性能や住宅性能についての記載がない建築会社については、事前に詳細を確認した上で購入を判断して下さい。
建売住宅選びの失敗例

建売住宅を購入して後悔した失敗例を紹介しますので、他の方の失敗例を踏まえた上で、自分たちの家づくりに取り組みましょう。
- 土地の値下がり
- 駐車スペースの関係で大きな車に乗り換えできない
- 地盤沈下で建物が傾いた
- 周辺環境の変化(近隣に大型マンション建設)
- 仕様変更やオプションが高額
- アフターサービスが悪い(施工不具合の対応など)
- 住宅性能がしょぼい
- 周りが似たような物件ばかり
- メンテナンスの頻度が多い
- 外観がしょぼい
- 人気エリアではなくなった
失敗例を挙げだすときりがありませんが、自分たちの住宅の優先順位を決めておくことが重要です。
コスト面を優先するのであれば、妥協しなければならないこともあります。
しかし、住宅性能や安全性をないがしろにすると、後々後悔することになりかねません。
まとめ:後悔しない建売住宅の選び方はリサーチにあり
建売住宅と一口に言っても、販売会社や施工店により品質や価格がまちまちです。
自分たちに合った建売住宅を選ぶには、自分たちの住みたい場所や住宅をイメージすることが重要であり、そのためのリサーチを欠かすことはできません。
今回は、施工会社による違いを中心に解説しましたが、目を向けるべきポイントは他にもありますので、多角的な視点から自分たちに合った建築会社を探してみ